大判例

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最高裁判所第二小法廷 平成8年(あ)831号 決定

主文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中一二〇〇日を本刑に算入する。

理由

弁護人佐藤博史外六名の上告趣意のうち、憲法三七条三項違反をいう点は、記録を精査しても、一審弁護人の弁護活動が被告人の権利保護に欠ける点があったものとは認められないから、前提を欠き、その余は、憲法違反、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

所論にかんがみ、職権で判断する。

記録を精査しても、被告人が犯人であるとして原判決に、事実誤認、法令違反があるとは認められない。なお、本件で証拠の一つとして採用されたいわゆるMCT118DNA型鑑定は、その科学的原理が理論的正確性を有し、具体的な実施の方法もその技術を習得した者により、科学的に信頼される方法で行われたと認められる。したがって、右鑑定の証拠価値については、その後の科学技術の発展により新たに解明された事項等も加味して慎重に検討されるべきであるが、なお、これを証拠として用いることが許されるとした原判決は相当である。

よって刑訴法四一四条、三八六条一項三号で、平成七年法律第九一号による改正前の刑法二一条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 亀山継夫 裁判官 河合伸一 裁判官 福田博 裁判官 北川弘浩 裁判官 梶谷玄)

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